虐待は加害者である母親自身も苦しんでいる

子育て

厚生労働省の発表によれば、虐待に関する相談件数はいまだ増加傾向にあり、2018年中に児童相談所が対応した件数は15万件に上るそうです(詳しくはこちら)。

虐待のニュースを目にすると、犠牲になった子供だけでなく加害者(その多くは母親)の心情を思い心が痛みます。

私も子育てを経験して初めて分かりましたが、子供に辛く当たってしまうのは自分の心身が苦しい時です。

病気をして辛い、心がしんどい、そんな時には子供を受け入れる心の余裕がなくなり、必要以上に叱ってしまうことがあります。

心身の疲れがある程度回復しないと、誰かを受け入れる余裕が出てこないものです。

そのため、虐待のニュースを見ると加害者の母親自身も苦しい思いをしていたのかな・・・子供を傷つけながらも心の中は自己嫌悪や苦しみでいっぱいだったのかな、と想像してしまいます。

少し前に、杉山春著の「ルポ 虐待: 大阪二児置き去り死事件」(ちくま新書)を読んだことがあります。

やむなく離婚に至ってしまった母親は、2児を抱えているにも関わらずインフルエンザにかかったときでさえ家族の誰にも助けを求められなかった、という経緯を読んで母親の絶望感はどれほどだっただろう、と思いました。

「子育てを楽しむ育児」とか「毎日笑顔の育児」といったうわべだけのイメージをよく目にしますが、子育ての現場は心身とも厳しい場面もあるのでそれは無理です。

それよりも「うちの子、たまにうざいんですよね」とか「最近育児に疲れちゃって」とか、何かを取り繕うことなく本音でコミュニケーションが取れるような場所があったらいいのにな、と思います。

子育てに疲れたとき、心がしんどいとき、周りのキラキラしたお母さんや世間の目を気にすることなく心から憩えるような、そんな居場所です。

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